タガタメ

【プロローグ(タイトル未定。お試し版としてシブへUP)】
ナル←サス←ボルのボルト視点

◇時間軸はBORUTOの少し後
◇輪廻眼独自設定:「輪廻眼は、只人の身では長く抱えきれないものだ」
※マダラのように千手の細胞を持っているわけではない。
※長門のようにうずまきの血も引いていない。
※ハゴロモから授かった陰の徴は終末の谷で左手と共に失った。
※原作要確認

1.アオダがボルトに助けを求めに来る。

2.サスケが倒れている:熱出してるんじゃなくて、体温が異常に下がってる系。
→サスケの身体に異変が起きている。
→医療忍術で治せるものではない(サクラも知らない)
→サスケはそれをナルトにも隠している。

3.必死にサスケを看病しようとするボルト。
「オレ、もっと強くなる。強くなって、おっちゃんと一緒に旅する」
「おっちゃんが世界を守るなら、オレがおっちゃんを守る。
おっちゃんを治す方法を、オレが絶対見付ける」
(父ちゃんの替わりだって構わない。父ちゃんが出来ないことを、
もしかしたらしたくても出来ないことを、オレがする)
それはズルイのかもしれない。でもそれでもいい、ただこの人を守りたい。

“細い腕を必死に伸ばして、少年はその人を抱き締める。
未だ小さな掌で、それでも懸命に支えようとしている。”

4.「お前は、本当にウスラトンカチだ」

【タガタメ】ナル×サス←ボル

◇時間軸はプロローグの3、4年後。
◇上忍になったボルトを連れ旅を続けるサスケ
※体調は悪化している。ボルトがそれを支えている
※ボルトがサスケの旅に同行するのは特例。
しかしボルトの実力から、火影の身内贔屓とは誰も思わない程度に
実力をつけている。(渦の国で優れた封印術も身につけている:うずまきの血)
※ボルトはサスケの身体を治す方法を模索。
→決定的ではないけど体力を回復させる薬みつけてきたり。
※ボルトは日向の血とかつて六道仙人に力をもらったナルトの遺伝子を継いだ影響で淡い輪廻眼みたいなのを発現。サスケからの様々な教えもあり、サスケとしては、ボルトにもう後を託して良い気持ちになってきている。
※だけど、死をリアルに考えだすと唯一ナルトのことが気にかかる。
(心配ではなく、ナルトに対する自分の執着が抑えきれなくなってきてる感じ)

【冒頭】
それを例えるなら、ほつれのようなものだ。
綿密に織り成した綾物のひとところ、ごく小さな箇所に生まれる見間違いのような綻び。
その弛んだ糸を初めて見付けた時、一番弟子は随分今風の表現を口にしたものだったか。
『なぁおっちゃん!タータンチェックが、ちょっとだけズレてるってばさ!!』
得意げに輝く青いその眼をひどく眩しく見詰めたことを、サスケは今でも鮮やかに思い出す。それは未来への希望を見出した日。そして、己の行き先を受け容れた瞬間。

1.旅の途中で反乱分子に襲われる大名の臣下を助けるサスケとボルト~騒動~木ノ葉へ帰還

※舞台となる国(里)はブラッドプリズン参照。
※戦闘シーン。ボルトに影分身を命じ(“名を呼び眼を見、そして軽く頷くと敏い弟子は流れるようにあの印を組む。”)「影分身の術!」
→雑魚を片付けさせる(やはりボルトを危険には晒さないサスケ)
→サスケはターゲットに迫る敵と対峙(“クナイを投げ、それと己が身を入れ替える”)
※謝礼として館に招かれる。
※ボルトに対して率直な憧れを抱くその国の若い忍たち
※酒宴(ボルトに対し「旅の話を聞かせてください」「ぜひ、修行のコツを云々)
※同世代の青年たちに囲まれ、楽しそうなボルト。
※サスケを想うが故、急いで大人になろうとしているようなボルトの年相応な笑顔を見て、サスケは一人で場を抜け出す→体調悪化。
※里の現状に危機感を抱く一部の忍がサスケを襲う(うちはの血が欲しい=ベタに精という……)
※モブサス展開(「コイツは男を渡り歩いて力を手に入れたらしい」「火影の雌犬」「四十近いと聞いていたが、そうは見えないな」「ただ若いというより、時が止まっている感じだ」等ベタに!!)
※サスケ、自身よりもナルトをそんな目で見られたことにショック。
※弱った身体で抵抗するもサクラとサラダを盾にされる。
「娘は十六、七だったか。黒絹の髪に黒曜の瞳。お前によく似ていると美しさが評判になっているらしいが……さて、清らかな乙女はどう抗ってくれるのかな」「妻はあの五代目火影の愛弟子だったか。剛腕ではあるがいつまでも瑞々しい女と聞く。長く夫と離れ、さぞかしその身を疼かせていることだろう」この通信機器を一度押せば、木ノ葉に潜伏した仲間がすぐにそれを実行すると脅迫される。
※“妻を蔑み、娘を汚す言葉に激しい嫌悪と憎悪が奔る”
“それがどうした、と思った。彼女らは優れたくの一である。こんな下衆な輩の更に下っ端など、容易く一蹴してくれるはずだ”
“しかしそうは理解していても、サスケの身体は動かない”
“安い挑発であり愚かな脅しだ。だがそれでも、万一を思った”
“許せない。大切な家族を、自身の最も慈しむべき対象に触れることは決して許さない”
“夫として父親として果たせた役割は少ないと自覚しているがこそその一片の迷いがサスケから抵抗を奪っていた”
※寸前でボルトが救出。サスケが止めるもブチぎれて必要以上に相手を傷つけてしまう。
※ちなみにボルトと話していた青年たちは、サスケを襲う片棒は担いでいない(彼らも騙されている)
※上記を木ノ葉に報告され、強制送還。

2.ナルトと再会~サスケ倒れる・ナルトに激情をぶつける~拒むナルト~再び旅へ
※「やっぱり辛そうだな……サスケ」
ボルトと二人、並んで大きな机の前に立つやいなや、ナルトはまずそう言った。両肘を付いて、軽く指を組み顎を預けている。眼元の隈は相変わらず見事なものだ。
※それをサスケはじっと見据える。辛そう、というその言葉は、ボルトをこんな目に遭わせて……という前置きが省かれているのだろう。それならば、肯定など出来るはずもない。自分以上に辛いのは、歯を食い縛り睨むように父と対峙するボルトなのだから。
※『反省、してるってばさ七代目』『でも……でも、後悔はしてない』怯まず言い放つその様に、部屋の片隅に控えるシカマルが苦笑した。”言葉遊びが上手くなりやがって。”
※ナルトに叱責されるボルト。
※サスケを想ってボルトは語らない(素早く対処出来なかった根底にはサスケの不調がある。サスケが懸命に隠そうとするそれを自分がナルトに明かす訳にはいかない)
※サスケ倒れる→見舞いに来たナルトにいろいろ押さえてたものが噴出→「オレを抱けよ」
“この命がいつ果ててもいいと思う。世界はきっとナルトが、仲間たちが、彼らが老いた後はボルトがサラダが、次の世代が必ず守ってくれるだろう。今はそう信じられる”
“割り切れなさが残るとしたら、ナルトとはもう二度と逢えないのだという至って単純な道理だけ”
“それならば、たった一度でいいから触れたい”
“わかっている。彼と繋いだその手は永遠だ。明日何が起きようと、そう、この命が尽き眼が腐敗し、身が朽ち土に還っても、彼の天寿が終わりを迎えようがこの世界が滅んですら常(とこしえ)だ。あのままで、そのままに繋がれている。それ以上の証は無い。他の誰とも結び得ない、不変で不滅の絆である”
“それを解っているのに、だがどうしても抑えられない”
“欲しい。ただ欲しい、目の前のこの男が、唯一が欲しい”→→→【永遠よりも今が欲しい。】
“たとえ消えゆくものでも与えて欲しい。”
“その身体を体温を、汗も呼吸も、彼を構築する全てを焼きつけたい”
“どうか、どうかオレにお前を刻んで。髪の一筋爪のかけらにまでお前の今を、全てをくれ。身体に刻み芯まで沁みこませてくれ。”
”そうすれば、独り消えゆく恐怖にも耐えられる”
“だから欲しい。この身体の奥底に、ナルトを刻んで逝きたい”
“(……ナルトを刻んで、生きてたい)”→→→【その生命ぜんぶを抱き締めていたい】
※自分があの異界に閉じ込められるイメージ(彼岸と此岸。寄り添ってはいるが決定的に異なる世界)
※ナルト、それを受け入れない(伏線)
“ダメだ、サスケ。そればっかりはどうしても出来ねえ”“したく、ねーんだ……”←←← 実は影分身。
※ナルトに拒まれたと身を引くサスケ。回復後、ボルトを連れまた旅に出る→もう二度とこの地に戻ることはないだろう。
※旅立つ前、ナルトを交わした約束を夢に見るサスケ。
“あの頃、自分たちは少しは大人になったと思っていたけれど、今となってはやはりまるで子供だったのだ。『やっぱり、明日行っちまうのか?』弄んでいた小石をナルトが放れば、たゆまぬ流れにぽしゃりと小さな波紋を広げた。”
“『木ノ葉のため、世界のため。じゃあさサスケ、それが済んだらどうすんだ?』
『なぁ。もうひとつ、約束しろよ』→→→【その言葉の先が、今もまだ思い出せない。】
※旅を続ける二人の前に、ある日ナルトの影分身が現れる。ボルトに謝罪。
“「ずっと嘘ついててごめん。騙したかったわけじゃない。お前やヒナタやヒマワリが大切じゃないわけがない。勝手だ、おかしいって思われても、理解されないかもしれないけど、オレは間違いなくお前たちを愛してる」
「だけど、どうしても諦められなかった。失いたくなかったんだ」
「ボルト……サスケを守ってくれて、ありがとな」
「お前がいれば、みんなきっと大丈夫だ」“
※影分身消失。直後に木ノ葉(シカマル)から使いもしくはサイの術?
“そこにはただ簡潔に、事実のみが綴られていた。
→→→ 【ナルトがいなくなった。影分身も全て消えた】”

3.火影室の隠し部屋~倒れているナルト→サスケを抱き締め回復させる→ナルト仮死~サスケとクラマの対話(謎明かし)

※ボルト、火影室の横の小さな部屋に気付く←←←白眼+輪廻眼。
『これ……この部屋、ずっとあったはずだってばさ。オレが小さい頃から。父ちゃんに構って欲しくてイタズラしてた時も、下忍の頃にも上忍になった時も』『……なんで。なんで忘れてたんだ!?』
※上記、シカマル&サスケも同様。
※施されていたのは渦の国に伝わる封印術(空間の封印とともにその場に対する記憶も封印)。
※ボルト、旅の知識からそれを解く。
※中では仙人モードで倒れているナルト本体(何年か時が止まっている印象)
※『良かった、サスケ……。間に、合った』
※サスケをそっと抱き締める。もう言葉は紡げない。ただ小指を、小指だけを真っ直ぐに立てた。ハッとサスケは眼を見張る。それは、その仕草が意味することは。
※『ナル……ト』思い出した。思い出してはいけないと、押し込めていたそれを。その約束が、胸の奥底でようやく息を吹き返した。
“なぁ。ひとつだけ約束しろよ”
“世界を護り、誰かのために生きる。なぁ。そう出来たら、その後にはさ”
“お前は生きろ。いつか必ず、お前はお前のために生きろよ”
“だってサスケは、昔からいつだって何かのためにばっか生きてる”
“一族のため、復讐のため。そんで……イタチのため”
“これからオレたちは誰かのために生きる。でも、オレたちなら絶対そう出来るからさ”
“だから、ちゃんと出来たって思えたら今度こそお前のために生きろよ”
“お前はさ……自分のために、生きていいんだサスケ”
「誰かのためじゃなく……オレの、ために」
震える声で呟けば、ナルトは満足そうに笑う。紅いチャクラがサスケを包み、身体から異常が消える。
※ナルト、その後眼を開かない(仮死)。サスケ、クラマに呼び掛けナルトの中へ
(原作確認。『ここへ来るのは二度目か…』的な邂逅)
※サスケとクラマの対話。
※ナルトはサスケの不調に気が付いていた=モモシキとの闘いで、チャクラで包んだあの時に。サスケを治す方法を必死で探すが見付からない。見かねた尾獣たちが力を貸してくれる。
“『だが、お前の全てを捨て、お前が今持つものを全て裏切ることとなる』『お前の信念すら捻じ曲げる』
→『それでもかまわない。サスケが助かるためなら、オレは全てを捨てる。そうすることが、今は出来る』
『身勝手だけど、子供たちを信じている。火影になりたての頃みたいに、一人で、サスケと二人で、全て背負わなきゃとは思わない。本当の意味で、仲間を子供たちを今は信じられる』→あぁ、オレと同じだ(サスケ)
※『コイツだけはダメなんだ。サスケが生きてなきゃ嫌なんだ』
『無茶苦茶だろ、クラマ?だけどオレってば、サスケだけは絶対に諦められねえ。サスケの命を諦めたくない』
【オレしかサスケを助けられないって、なんか良い気分だってばよ!】
※尾獣たちのチャクラをひとつづつ順番にナルトの中に入れてもらう。そしてサスケを蝕む負を包み剥ぎ取る力へとゆっくりと変質させていく。それは影分身では出来ない。本体でしか叶わないから、本体はここでずっと尾獣たちからチャクラをもらっていた。
※サスケ、イザナギを発動→→→ここで輪廻眼喪失!!!
“これは禁忌だ。決して犯してはいけない理を自分は犯す。うちはの犯した過ちを繰り返すことになる”
“それでもいい、全部棄てる”
“何とでも言え。どうとでも裁き煉獄の最果てへと、突き落とすがいい”
“それで構わない。それでもただ、ナルトを救いたいというこの想いは狂気でしか有り得ないのだろう”
“自身の命を持ってしても相手を守る。生かす。究極の自分勝手だ。ただのエゴだ”
“誰が為に(タガタメ)に?そう、自分のためでしかないのだろう”
【(兄さん。あなたはそれでもオレを、愛していると言ってくれますか?)】
“そう、人はこうして過ちを犯す。大切な人を守るなら己が命すら棄てる。信念すらねじ曲げる”
“それは誤りだ。愚の骨頂で罪でしかない。しかしそうしてしまうのが、そう出来るのが、人間の醜さであり貴さだ”
※そんなこんなでナルトは生き返り、サスケも完治します。

4.ナルト生還~想いの確認~サスケとボルト再び旅路へ~エンディング

※目覚めたナルト。ふと気が付いてサスケの前髪を退ければ輪廻眼が見えない。
※『なぁ……。その眼、開けろよ』低く命じて現れたのは真白。紫闇でも黒でもなく、瞳の無い残酷な純白。
サスケは静かに微笑んでいる。
※ナルト、サスケのしたことを知り激怒。サスケを殴りつける
「なんで……どうしてイザナギを使ったサスケ!?」
「あれは、あれだけは絶対使っちゃいけないものだって、お前が自分でそう……」
※サスケもナルトも信念(禁忌を犯す/火影を影分身とは言え己れ以外に任せた)を曲げ捨てた。
※それでも無くせなかった唯一。
※『忘れちまったのか?あん時オレと約束したろ。いつか、お前はお前のために生きるって。里のためでも世界のためでも、誰かのためじゃなくお前自身のために生きろって』
※『オレ、ずっとお前に、お前のために生きて欲しかった』
『なんでだろうな。お前はあんなに強いのに、それでもいつも、小さい頃のお前がどっかで被るんだ』
『ソイツはいつも寂しそうにしてる。ぽつん、って立ってるんだ』
『だからお前は死んじゃダメなんだ。お前のために生きる時まで、淋しくなくなるその時まで、生きてなきゃいけない。そうじゃないと、オレが嫌なんだ』
※それはサスケの中にもあった想い。消せない孤独。互いでしか分け合うことの出来ないもの。
※淋しいこどもが手を繋ぎ、心から笑い合える唯一はどうしたってナルトしかいない。
※『狂ってるな、オレたち』
『……そうだな(だが、それでいい)』引き金を引いてしまったのは自分。だからサスケから言う。
『なぁナルト……。もういいかげん、オレたち認めよう。逃げるのは止めよう』
※まるで何も知らないこどものように、ほんの瞬間触れ合うだけのキス。互いの口唇が震えているのが解る。それでも満たされた。どうしようもなく、しあわせだと思った。
※“想いを認めてしまったこの後、自分たちはどうすればいい?どう生きればいいのだろう”
“だが怖ろしい程に後悔など欠片もなかった。その存在が、再び旅立つこの朝がどうしようもなくいとおしい”

【結】

太陽と月だから、どっちもいなくちゃダメなんだな。
昼も夜も、照らす光が無いと歩けない。
オレにはずっと太陽だったよ。初めて会った時から眩しかった。
傍にいるとドキドキして、胸がいつもあったかくなった。
「大好きだった。大好きだよ……サスケ」←←←作中唯一のサスケ呼びがこのシーンでいいかも?
【だからお願い。これからもずっと、あなたの一番の弟子でいさせてください】

じゃあ、向こうの一本杉まで競争だってばさ!そんなボルトを見てサスケは思う。
ずっとボルトが支えてくれていた。ボルトの成長も、未来のためだけじゃなくただ自分の人生に齎される大きな生き甲斐で喜びだった。眼を持つからじゃない。このしなやかな強さにこそ、未来を託すことが出来る。

※自身のために生きると決めたことで、自身も世界の一部だと感じるようになったサスケ。
◎自分も世界を構成する要素。大切にするのは我儘でも身勝手でもない。
◎自分が生きることは、この世界を生かすこと。だから生きようと思った。

【タガタメに?そう、もう、これからは。愛する者のために生きていこう。
彼が求めるそのままに、自分のために、生きていこう。】

◇補足:ざくっとボルサラ◇

「七代目さまはアンタがそうなっても、絶対に同じことをした」
→「だからとんでもねーんだってばさ。家族じゃないのに、そう出来るんだから」
「サスケの中にはずっと父ちゃんがいた。だからきっと、オレが好きになったのは父ちゃんを想ってるサスケなんだ」
「何それ……出来の悪い少女マンガみたいね」

彼女を好きになれば良いのかなんて考えたこともある。
彼にそっくりな艶やかな黒い髪に、綺麗な黒い瞳。
でも、サラダはサラダでそれ以外の何者でもないのだ。
あぁ、多分きっと、自分は久し振りに彼女に会っているのだ。
終わった恋を通さない、素のままの彼女に。
「幼なじみの初恋の相手が自分の父親って。どういうことよ、しゃーんなろぅ」
だからこんなにもその笑顔が懐かしくて堪らない。

【三日三晩(タガタメ大人ナルサスの初H)】ナルト目線

火影として許し難い嘘を吐いていた。
三年の間、里人たちを、木ノ葉の忍を、仲間たちを騙していた。
だから潔くその座を退こうとしたナルトを一喝したのはシカマルである。
『冗談じゃねえ。そんな勝手が許されると思っているのか』
『少しでも悔いているならその三年を返せ。いや、その倍をこの里に尽くしてみせろ。』
それがお前の贖う罪だ、七代目。
その前にほんの少しの与えられたのは、鞭の前の甘い飴。

※サスケとふたりきりで休暇を許されたナルト。
※モデルは宮崎。変わった海岸(青島海岸)や洞窟の中の鳥居(鵜戸神宮)
※“夜”を意識してしまってどうにもぎこちない。
(なりゆきで決めた宿泊先はなかなか良い→「摘み草の宿こまつ」をモデルに考える。料理は「北門屋敷」とか「二人静」。お茶も布団もセルフでスタッフは立ち入らない。)
※サービスの放棄ではなく、むしろそれこそが思い遣りなのだろう。おかげで、部屋では何も気にせず存分にふたりきりでいられた。食事は専用の場所が用意されていて、そこへ出向けばいいらしい。
※サスケも充分満足しているらしい←お風呂に畳が敷いてあるのを面白ってる。でもナルトは、せっかくだから一緒に入るかと誘うサスケを断る。
「ちょ、ちょっと一通書かなきゃいけねえモンが!」「なんだ仕事か」「仕事……そう、仕事な!」
※本当は一緒に入りたい。正直なところ、一瞬だって離れたくないのだ。片手では不自由だろうからこの機会に世話を焼いてやりたいし、あの黒髪を洗ってみたいという変な願望まである
※自分たちはこういう時の呼吸の継ぎ方を知っている。そのはずがすぐに苦しくなってほんの瞬間、隙間を取り、直後にまた触れ合わせた。足りない。なんど重ねても足りなかった。
※後ろに触れる→ナルトが迷っていると勘違い。「ナルト……」その、よくは解らないが。「出来る範囲でだが、清潔にはしてきた」視線をそっぽに流して言う。
※怖い?とサスケに問うナルト。「あの時は確かに、吐くかと思った」「無理やりヒデェことされたんだから当然だ」「口に変なものを詰められたしな」「そんなことされて本当に吐いたら窒息する!」と憤るナルト
※繋がった途端に何故か笑いが込み上げた。
「まさか、お前とこんなことしちまうなんてな。変な気分」
【「……オレも、変な感じだ」「……ドコが?」ばか、と柔らかい声が諌める。】
※後ろから致すも膝を保てないサスケ。シーツに崩れてしまうが、懸命にまた腰を上げようとしている。それは、ナルトのために他ならない。「いいってばよサスケ……無理すんな」
※汗を浮かべ捩れる背中に覆い被さる。【こうすれば、耳元でより囁きやすくなる。】
※「好き……好きだサスケ。もう、どうしようもねえ位に」体勢を少し変え、横向きにする。脚を掬えば、前に触れやすくなった。

翌朝、ふたりで近くの店に食事に出掛ける。
ちょっと散歩→海に浮かぶ小岩に開けられた穴に小さな玉を投げ込む風習=鵜戸神宮。
入れば幸運が訪れるということだが、どっちが多く入れられるかと子供みたいに本気になって競い合った。一度で勝負は着かず、もう一度。それでもまだむきになって三度目に挑もうとすれば、社を守るちいさな神子に諌められた。たくさん投げて、たくさん入れば幸福ということではないのです。我が子くらいの少女に、大人二人が真顔で詫びた。

※「確かに、そのとおりかもしれない」「どういうことだってばよ?」
「多いから、すなわち幸福ではない。大小が問題ではないということだ」
※激しい雨が視界一面を覆っている。まるで世界から切り離されたかのような、ふたりきりの空間。ほんの僅かしか叶わぬふたりだけの時間は、きっとこれからも限られているのだろう。だからこそ今この時が愛おしいのだと思えば、サスケが何を言いたいのかわかる気がした。
※雷鳴が鳴る。鈍色の空に鮮やかな雷が走る。もしかしたら、神様の怒りが鳴っているのかもしれないけれど。→キス。
※帰りに雨に遭う→雷→何かに突き上げられるような衝動でキスをした。サスケの右腕がナルトの首を絡めとる。狭間に零れる吐息は荒い。冷えた大気に幾度も熱い白を結んだ。→【「なぁ。……また、欲しくなった」】
※いわゆるシックスナイン。
※いくらなんでも、と躊躇する彼を半ば強引に導き、己の顔を跨がせる。「……いいじゃん?男同士なんだから、毎回入れなきゃダメってことでもねえだろ」
※腫れてる→癒したくて熱を纏った指で触れると身を捩って嫌がった。そういえば昨夜も、そんなことに力を使うなと怒られたっけ。笑う吐息が擽ったい。「なんだよ」【「たまらないな……興奮、する」】
※性を覚えたての少年のように、夢中になってしゃぶり舐め上げる。彼もむずがるような声を鳴らしているけど、きっと自分も喘いでいるのだと思う。夢中過ぎて自覚出来ないだけで、お互いさまかもしれない。そうだといいなと思った。
※「いいってばよ?そのまま出せよ」ぜんぶ飲んでやるから。不思議なほど滴る蜜を啜り上げ飲ませてと強請るが、それでもサスケは頑なに首を振った。
※「お前の顔が見たい」「昨夜は見えなかったから」身体を起こして向き合い座った。腕を伸ばし、真正面から抱き合った。ついさっきまで互いの雄をしゃぶりあっていたことも気にならない。いや、だからこその歓びが込み上げてきて、思いっきり舌を絡めて貪りあった。掌で包んで上下する。指を絡めて高めあう。

二日間ほとんど身体を結ばせる→だって、次に会えるのいつになるかわかんねーし。
オレのこと、シッカリ覚えといてもらわねーと。サスケのココに。

※三日目の朝、ボルトからサスケにメール。
※もう一日予定を伸ばして欲しい、という簡潔な内容。そのことをナルトに告げようとすると彼は笑っている。
※『父ちゃんのものになりましたって顔してるサスケなんて、みたくもねえ。ちっと冷ましてから、オレの師匠を返してくれ』
※一緒に朝風呂シーンで昨夜の回想を軽く?

「なぁ。ボルト、良い男になっただろ。惜しいことしたなって、思ってる?」
「親友の息子と恋仲か?冗談じゃない」
「そうだな…それってほんと、笑えない」
「だって、オレたちもう親友だけじゃねえだろ、サスケ?」

ラスト
「もうこれ以上、お前から奪いたくなかったのに。何も、無くして欲しくなかったのにな」
「だが、オレはたったひとつを手に入れた。この世でいちばん、とびきりのものだ」
「だからナルト、お前も生きろよ。オレと、お前自身のために」←←← 本編とかぶりすぎたらくどいのでバランス考えること!

※「なぁ、やっぱり今からもう一度シねえ?」「嫌だ」
それから少し考える間があって、サスケが悪戯に囁いた。それよりも、したいことがある。
「なぁ、ナルト。あの橋を、見に行かないか?」→→→ここは波の国(だから海風景)だった。
※今なら、どんな風に見えるだろう。さぁ、早速主人にお握りを頼んでみよう。具は鰹節がいい。そんな我侭もこの宿ならきっと、微笑み叶えてくれるはずだから。

◎ということで二日+一日で三日三晩。

*** * *** * *** * *** * *** * *** * *** * *** * ***

以下、あとがきもどき。

そもそもはダンゾウ戦でイザナミが出てきた時、「これフラグでしょ?!」「最終的にサスケが自分の眼を捨ててナルトの命を救うって展開くるんじゃない?!」などと大興奮し、ナルトのために眼を捨て失明してしまうサスケェ…と書きとめた妄想がベースでした。

原作完結後に物語としてまとめるにあたり「ナルトも何かを棄てる」方向へ転じ、ナルトがなりたかった火影というもの、『火影室にいるのは必ず本体』というのをポリシーとしたらその辺りを捨てさせるか、と考えた結果、「賢者の贈り物」へ発展。
“大切な存在のため「自分の大切」を捨てたら相手も「自分の大切」を捨ててしまっていた”
“棄てる前に相談してたら他の解決策もあったかもしれないのに” ”でもすごく幸せ”
という、ピュアと狂気が共存するような関係はナルサスらしいかもなぁ…と。

徹底的にサスケのナイトだったボルトについては、損な役回りを負わせてしまった、物語を動かすために上手く使ってしまったなあ…という反省もあります。またプロットにはボルサラ要素がありますが、実際書いてみるとボルトのサスケに対する想いが薄れてしまう気がしたので、原稿時に削除しました。

起承転結がはっきりした「物語」にすることとナルサスに対する思い入れのバランスをとることが目標で、特にサスケに対してはずっと、「痛々しいほどいつも何かの、誰かのために生きている少年」という印象が強かったので、そこをなんとか昇華したくて。
書き上げた時は、晴ればれとした気持ちになれたことを覚えています。
「タガタメ」でR18関係に至らず別タイトル(「三日三晩」)の後日談でR18関係に至るのも妙なこだわりで…性行為無しでどれだけ盛り上げるか?ナルサスにするか?というこのこだわりが、性的関係皆無ナルサスのオフ本「北極星が見えなくても」へ繋がりました。

なおタイトルは、誰かのため→誰が為→タガタメ、という分かりやすすぎるまんまなので、ミス〇ーチル〇レンのあの曲とは実は関係ございません。