北極星が見えなくても

☆血痕→孤独な子供が手を繋ぐ
人生のエンドステージ。
失くした腕とそれから義手や右手もよく頑張ったと称える
⇒一緒にいなかった3年間。あの日々のナルサスも笑って手を繋げるイメージ。

◎北極星(ポラリス)が見えなくても

➃エンディング(標星/還る日)

あの時気付いてしまった。
惹かれ焦がれ結ぼうとするどうしようも無いこの気持ちはどこまでも大きすぎて果てしなく重すぎて、それに解りやすい名前をつけてしまったら、きっと世界は閉ざされる。
ずっと分け合い溶け合っていたくなる。
ひとつになり過ぎ、しあわせで動けなくなってしまうかもしれない。
だから片っぽだけを永久に繋いで、誰にも触れられない不可侵に置いてきた。
それはもしかしたら、目に見えない何かが課した一種残酷な決着だったのかもしれない。

二人きりで果てる幸福など許さない。お前たちは愛を託された子どもだ。
お前たちは痛みと憎しみを誰よりも知る存在。
稀有の力を二人きりで融かすなど許されない。
さぁ。互いに執着する子どもは今、ここに捨てろ。ここで殺すのだ。
そして戦え。生きてこの世界に挑み、そこで何かを変えてみせろ。

だけど、だから自分たちはずっと等しくあれた。
常に怯まず向き合って、甘えず甘やかさずに寄り添い競って、負けたくないと闘ってきたんだ。

オレは、ずっと淋しかったんだ。
お前と闘った時も音にいた頃も~

今はもう、淋しくねえ?

サクラがいる。サラダがいる。シカマルやキバや、皆がいる。
そしてボルトがいて、何よりナルト、お前がいるんだ。
お前とずっと、並んで生きて来たんだ。だから、オレはもう淋しくなんてない。

☆こっち(ナルトの義手とサスケの右手)も繋ごう?

あの日よりこっち、それぞれの場所でせいいっぱいに頑張って頑張って、多くを護り抜いた手。
そう、やっとここへ辿り着いたんだ。
充分守って戦った。オレたちはそれぞれ生きて生きて、生き抜いた。
だから、だからもう大丈夫。
なぁ、全部繋ごう。ひとつに結ぼう。やっと、やっとすべてを重ねよう。

結⇒『そして記憶と想いにたましいが還るいつかのその日を、オレたちはふたりで一緒に越えるんだ。』
   ⇒『さぁ、行こう。唯一で最愛の標星よ。』

★旅立ち前→ふたり任務→夏祭り?→エンディング(最後の戦い、人生のエンドステージ)

➀旅立ち前(明星/決める日)

退院後、投獄されたサスケと鉄格子越しに語るナルト。
憎しみも負の感情も自分の一部と認め受け入れる、そうして良いこと
→闇ナルトとの邂逅の経験(イルカとサスケの話を組み込めれば…)

自分に価値が無いなんて絶対に思うな。
そんな風に自分を決めてしまったら、お前を大切に想っている誰かの気持ちまで無視してしまう。
それでももし、自分に価値が見つけられないんだとしたら…とりあえず、願うままに生きてみなさい
→願うままに生きる強さ=ナルト
焦らなくてもいい。なかなか見つからなくても一生かけて見つければいいんだ

義手は慈悲でも恩賞でもなく、シビアな理由もある。
万全で再び立ち里に尽くす。そうすべきでそうして欲しいという願いもおそらく孕む。
そしてそう生きるのもひとつの道であると理性は判断するものの、しかし肚の内は気持ち悪かった。

ナルトという存在を得難い唯一だと感じる→サクラが大切だった→カカシにこれ以上の辛苦を背負わせたくなかった。

➁ふたり任務(添星/傷む日。ヒマワリが産まれる直前)

☆民族紛争(内戦)
☆少年兵(家族の殺害、性的搾取)
☆自爆テロ

サスケが持って来た情報を基にナルトが乱入。
~な忍に協力して欲しい。そう依頼したはずだがな?→だからオレが来たの!

・民族紛争への介入(木ノ葉が仲介する、その道筋をサスケがつけた)
・次期火影であるナルトが立ち会い。不可侵条約の締結。
 →「立ち入らないってだけか」(協力は次のフェイズ)
・ナルトを襲うこども(少年兵。調印の紙を持ってくる)
 →対立民族から連れてこられた
 →子供を産まされている
 →家族を殺害させられている
 →帰る場所が無い⇒平和の中に居場所が無い

捕縛しようとするがふたりの目前で自死される。
→自爆に気づいたサスケがナルトを抱えて飛ぶ(輪廻眼で入れ替え)

・「お見苦しいものを」「これからはもう、こんなことは起こりません」
 「あなたのおかげです」

◎間で一回ケンカ(意見の対立)させる!!!
「他に何か道を探せば。もう少し、我慢してれば変わったのに」
「赤児を抱えた少女が、しかも戦いしか知らない奴が一人でどうやって生きる?」
「・・・きっと誰かが助けてくれたはずだ」
「その曖昧は傲慢だ、ナルト」「誰もがお前のように生きられるわけではない。仲間を得られるわけではない」
「そうだ・・・そうだよ、皆がサスケみてえに強いわけじゃねえ、だから協力が必要なんだろ?!」

救えなかったと苦しむナルト。
帰り道、葬送に行き合う→鳥葬

しかし、このままではまた誰かが傷付けられただろう。死んだだろう。
なんで、どうしてこの世界はどこまでもどうしようもなく残酷なんだろう?

泣きたかったら泣いていいぞ→サスケは泣かねーの?
なあナルト。まだ痛いか?オレを見てると痛いか?
オレは痛い。お前を見てると痛い、だから今、ここにいられて良かったと思う。

突き刺さる感情や悲劇や、悲惨も理不尽も生涯変わらず続くのだろう。
生きることとはつまり、そういうことなのかもしれない。
だから、その痛みを持ち寄り分け合える相手がいて良かった。
サスケが居てくれるから、だからまた前を向いて歩いていける。

「ふたりめ、出来たんだ。今度は女の子みたいだって、言うんだ」
「そうか」

あの子の分までと願ったところで何も変わらず何の意味もない、弔いでさえない。
降り出した雨で、今夜はただ一つの星も見えないだろう。

➂夏祭り(願星/祈る日。ピノアメ的なお盆の景色)

死んだら土に還るとか星になるとか言うけど、正解はどっちなのかな?
両方そうなんだろう
時にしっかりとその存在を礎に立ち上がり、そして空を見上げて先へと進む標にする。
そんな風にして想いは天と地を繋ぎ、その狭間で立ち生きる者たちにずっと寄り添っているのだ。

*** * *** * *** * *** * *** * *** * *** * *** * ***

以下、あとがきもどき。

まずはここまでお読みくださいました方、いらっしゃいましたらありがとうございます。

とても分かりやすく、オチから作った作品でした。
終わりがこうなら始まりはどうだろう、次に何が起こるんだろう・・・とプロットもその順番で考えました。
それぞれの標題(星の名前)が違っていたのが振り返るとなかなか面白かったり。

➃エンディング(標星/還る日)

この段階でほぼほぼ固まっていたんだなぁ、という感じですが「目に見えない何か」のくだりが”子どもの自分ははここで殺せ”といった風で、本編より強烈です。
当時、「あの闘いは彼らにとって少年期(個)の終わりであり大人(公、世界)の始まりなんじゃないか?」と思っていたのでそれが前面に押し出されてますね(この感覚は未だに引きずっているのですが・・・)。
また、サスケがここでサクラ(家族)やシカマル(仲間)、ボルト(弟子=次の世代)の名を挙げていますが本編ではとにかく、結論をナルトという存在に集中させたかったので変更しています。

そして、『お前に会えてほんとうに良かった』のシーンは自身でも一番くらいに好きなのですが、プロットには存在しません。
あの言葉は、完成した表紙を見せてもらった時に自然とぶわっと込みあげたもので、「絵の持つ力」に震える体験となりました。

➀旅立ち前(明星/決める日)

ナルトと牢の格子越しに語るヴァージョンもちらっと書いてみたものの、結局は(イルカとサスケの話を組み込めれば…)が主になりました。
完結前はやはり、サスケが無理やり木ノ葉に連れ戻されるifをよく妄想していたのですが、その一つにイルカとサスケが対話するお話があり、食物を受けつけなくなりナルトの支えすら上手く受けとめられないサスケを、イルカの言葉が後押しする~といった内容でした。
(なぜ唐突にイルカなのか?といえば、九尾に両親を殺されたイルカもまた、憎しみを知るひとりぼっちの子どもだったんだよな。という単純連想です)

この➀があるから➂の本編でイルカが登場し、そして『南十字のしっぽ』のエピローグへも繋がっていきます。
(転生サスケに元祖サスケが語った「あいつと生きた命はオレの誇りだ」が、一生かけて見つければいいと言ってくれたイルカへのアンサーです)

なお、義手のくだり(義手は慈悲でも恩賞でもなく、シビアな理由もある。万全で再び立ち里に尽くす。そうすべきでそうして欲しい)は当初この1話目に入れていましたが、本編では4話目=結びとなりました。

➁ふたり任務(添星/傷む日。ヒマワリが産まれる直前)

あからさまに分かりやすく、実はこれこそ、4つのうち最も力を入れ練り上げた一編です。
以前、「尾獣=大国が持つ核」を連想させるという評を読んだことがあり、(それなら大国vs大国、五里vs五里の構図がとりあえずの決着(安定)を得た大戦後の世界は、紛争が問題になるのでは?)という。
この段階ではまだでしたが、本編では二つの里が対立する理由を「忍宗の解釈違い(宗教紛争)」としています。

ていうかこの本、ナルトとサスケの対話集やん!ということにも気づいたので、動きのあるシーンを作ったり、分かり合うだけがナルサスじゃない!と言い合いさせたりもしました。
ちなみに「きっと誰かが助けてくれたはずだ」「きっと、誰か。その曖昧は傲慢だ、ナルト」はいつか使いたいと長年持っていたやり取りでしたので、このお話で展開できたことも嬉しかったです。

➂夏祭り(願星/祈る日。ピノアメ的なお盆の景色)

ご覧ください。何も決めずにパッションだけで書いたのがアレです!! 
みたいな感じですね。ぶっちゃけるとこの頃には「あ~~~エロが!エロが書きたい!!」としか日々思えなかったので、勢いのまま一線を越えかけるナルサスを勢いのまま、書いてしまいました。

なお、星の名前は本編で

➀明星 → 暁星(ミョウジョウ、でしたが他のタイトルの読みが星=ボシ、になったため変更)
➁添星 → 畢星(ラストシーンの雨に繋げたいと調べたところ、二十八宿の一つ・畢宿の和名が「あめふりぼし」であったためアテ字)
➂願星 → 祈星(お話の内容的に「願い」ではなく「祈り」であると気がついため)
➃標星 → 導星(シルベボシの読み方はそのまま。標ではなくお互いを導く存在、のイメージ)

となっています。