☆特定の色に固執する猟奇殺人事件
ノンキャリナルト×キャリアサスケ(80年代東京)
「~色の弾道(銃線?銃煙??)」
☆九尾ナルト×道士サスケ~なんちゃって中華風味~
〇道教
・太極図(陰陽マーク)丹、仙人、房中術、調伏
・道
・「道は学ぶことは出来るが教えることは出来ない」
亡くなった兄がいつか告げた言葉→それが悔しく寂しかったが、今なら解る。
道とは自分自身で見出すものなのだ。
・払子(ほっす)
獣の毛などを束ねた房を柄につけた道具
→九尾(ナルト)の毛を使っているがそのもの自体に効力はない。
ナルトを信じることがサスケの力に変わる。
〇中国のことわざ(日本じゃないのを探すこと出来れば共通でもないやつがいい)
出だし
×喧嘩の原因はおまけしてくれた一つの饅頭だった。
場所は小舟の上、見えるは山々。
泥溶けた水、見えぬ水底(この辺を水墨画の墨の感じで)を眺め一つ、遠い頂を数えながら並んでもう一つ。
とても和やかな船旅が突如終わりを迎えたのは、紙包みに同時に突っ込んだ手がぶつかったのが原因
→偶数じゃなくて奇数(四つ+オマケのひとつで五つになった)
→一つの奪い合い
→退魔後につなげる。役人が報酬として与えた包子は奇数。
こうすればいいんだった、と割るナルト=半分こを覚えた。
受け取るサスケ=兄とした半分こを思い出す。
➀領主の館での戦闘
・能力を見定めるため、という名目の見世物であり賭け事。
・蹴り上げた青龍刀が宙に舞う
→相棒が地を蹴りサスケははっと目を見張る。青い眼の奥に煌々とした光。
強気で負けん気でそして、強気な悪戯が見え隠れ。
「ナルト!」
それは制する声だったが居並ぶ者たちには命令と聞こえただろう。
呼んだ瞬間、空中に黄金が広がる。
身体こそ野で見かけるのと大差ないが、尾は一本に非ず。
どよめきの中刃物を咥え、くるり見事な一回転。
「なんと…!使い魔が、しかもあれは九尾の狐!」
「よぉし決まりだ!茶色賊人の征伐はそなたらに任せようぞ!」
➁領主の館で歓待を受けた翌朝。岩山を行く二人。
→不機嫌なサスケ(勝手に正体を見せるな→サスケは心配性だってばよ→怖れは暴力に繋がる?
→街では多くに声を掛けられた。
『道士さま。どうか、息子の仇を取ってください』
『オレの親友もやられちまったんです』
→饅頭をもらう→取り合い→鳶が攫う(茶色い紙袋)
⇒飛ぶ先は岩山のいただき→まさか?!
➂妖魔=元は鳶。
大好きだった主が好きだと言った色=茶。棕櫚の幹色。
・「お前は優しい色をしている」「どこまでも伸びる幹の色だ。種が芽吹く大地の色だ」
・肩に宿って屋敷を歩くと使用人(ちょっと中国語調べてみる)まで笑った。
・跡継ぎが扱うのは立派な鷹だ。しかし彼は愛してくれた。
鷹には足りぬ翼も兎も掴めぬひよわな爪も、土埃のようだと嘲られる羽色も、慈しみ撫でてくれた。
・「この色は、とてもあたたかいのだな。お前のおかげで、私はこの色が好きになったよ」
・彼が着るのはただの棕色だ。きらびやかの欠片もない、ありふれた色。
→この国では貧しさを象徴する色でもあった。
・身体が弱い日陰の若君には似合いだと言われていた。
→心まで軟弱だといわれていたが決して、そんなことは無かった。
☆人質役を押しつけられたが真の架け橋になりたいと、行く国を学んでいた。
新興だと蔑む者もいるが、様々な知が集っているようだ。
それを集め、学び持ち帰ってこの国をより豊かにしよう。
『楽しみにさえしていたのに、ある夜血を吐き胸を掻き毟った』
彼を誰も救わなかった。屋敷じゅう飛び回り啼き叫んだ。
お願いです。翼では、ひとを抱き上げることは出来ないのです。
爪で水を運ぶことも出来ないのです。
この声で医師を呼ぶことは出来ないのです。
わたしにはなにがなんだかわかりません。
どうしてこんなことが起こるのかが、わかりません。
だから願いはひとつだけ。どうか、どうかあのひとを、命を助けてください。
『わたしのともだちを助けてください』
→しかし誰一人彼を助けてくれなかったのだ。
あぁ。どうしてわたしはこんなにも、この人になんにも、できないんだろう。
せめてと羽を広げ寄り添おうとするが、最後の力で彼は外を指さし渾身の意思でふり絞った。
『さぁ、お行き。どこまでも羽ばたき、好きな空で生きるのだ』
『お前は何処へでも行けたのに、ずっと私の傍にいてくれたね』
『ありがとう。共に在ってくれてありがとう、私の友よ』
→しかし鳶は行かなかった。盛られた土の上を掻いては追われる。見えぬ眼で夜に暴れた。
幾度掻いても、掻いても掻いてもあの人には届かない。
あの人は何処にいったのだったか。あぁ、そうだ。あの人はあの国に行ったのだった。
平和を成し遂げていつかは帰って来るのだそうに違いない。
【それならば色を集めよう】
慈しんでくれたこの羽、この色がたくさんあればきっと目印になる。
この色は自分たちにとって、何より大切な繋がりなのだから。
他者から見ればありふれた、好きに上がらぬどころか在ることすら忘れそうな彩かもしれないが、
何より大切で美しい色彩なのだから。
狂に落ちた一途な心に胸が詰まる。魔となってまでもただ一人に恋い焦がれる。
まやかしでも、この孤独を掬えるだろうか。普段は使わぬ眼を開く。覗き込んで記憶を写しその眼に映した。
【どうか友の笑顔がこのひたすらな純を包んで優しい記憶へ還しますように】
→若君の笑顔を妖魔に見せてやる
→手のひらに一枚の風切羽が遺される
→『サスケ。泣かないで』「……泣いて、ねえ」
ふかふかのしっぽが柔らかく包んで寄り添う獣がぺろり、舐める。
ふんわりと漂うにおいは麝香のようで人間を狂わせ悦楽に落す媚薬だ、
なんて言われているがサスケにとってはいい匂いだ。心まで溶かされる気がする。
➃ふたたび旅へ
・毒を盛られた云々経緯は役人に聞く
→道士は真を問い悪を質す役人ではない。
・墓を探して風切羽が刻まれているものを見つける
→風切羽を供える。
→きっと幸せだった。哀しい別れだったがそれでもそれまで、間違いなく幸せだった。
☆プラトニックにする!!!
「遥か昔。人と妖が惹かれ合いまじないを、何かの言葉を交わし……その、身も心も結ばれ、同じ生命になったと」
「つまり。まぐわったってことか?」
「……おそらくは」
「そっか!だったらオレたちもそうすりゃいいんだ」
「とりあえずさっきのくちづけでサスケの寿命は何年かのびたしな」
「だったら今日、今晩しよう」
「だから!最終手段だと言っている」
「おまえとまぐわうくらいなら修行して仙人になる。仙人になって何千年だって生きてやる!』
【それは命抱く色。共に踏みしむ、約束の色。】
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以下、あとがきもどき。
光栄なことにお誘いをいただき、(とにかく最後まで書けるかの見通しを立てなきゃ)とまず浮かんだのが、”特定の色にこだわる殺人者を追うナルトとサスケ”でした。
大沢在昌氏の『新宿鮫』シリーズ(年齢差カプ萌えの原点)が大好きなので、あんな感じで対立するノンキャリとキャリア!ハードボイルドナルサス、枯れ気味な年齢で路地裏でタバコとか吸っちゃったり?!などと、ちょっと盛りあがっていました。
これならどの色でも大丈夫!(この時点では担当色が未定だったので)と思ったものの、しばらくすると(猟奇殺人はさすがに重いな)(警察組織わからん)(東京の電車わからん)と、そもそも私に扱えるネタじゃないなと気がつき。
じゃあ、基礎である”特定の色にこだわる殺人者”は残し→その殺人者が妖怪だったら”奇譚”としてヘビィさが軽減されるんじゃ?=ナルトとサスケで妖怪退治。
そこへ長年の性癖だった”九尾ナルトを使役するサスケ”を加え、”九尾ナルトと退魔士サスケ”という組みあわせが決まりました。
退魔士については(白い狩衣着たサスケは萌える!)と陰陽師も考えましたが、これも勉強がたいへんそうだと気がつき。
結論、”異世界にすれば全部解決!”→”でも異世界にするならイメージが欲しい”→”チャイナルサスがある!!”と。
つまり、どんだけ勉強したくないんだ?という話です……
そこからぼちぼち中国、退魔、などを調べるうち結びついたのが”道教”でした。
陰陽マークの太極図や丹、仙人、そして「道」など原作世界に近しいものが多く感じられ(この点については後々の反省点というか課題になるのですが)、ちょうどいいからサスケは”道士”ということに。
またこの頃は、”主人に眼の色を褒められた動物がその主人を殺害され妖魔となって復讐する”=”眼の色をお題の色にすればどの色でも大丈夫””動物は猫がいいかな?”と考えていた記憶があります。
ですので、動物が鳥、鳶で色は羽色と決まったのは「茶色」をいただいてからでした。
茶色?!これは……むずかしい!!と少し動揺したのは、私がこれまで「茶色」に対して明確なイメージ(単純ですが赤は情熱、青は冷静~のような)を持たなかったからだと思います。
茶色、茶色……と考えてみてまず浮かんだのが土の色。次は木の幹の色。
この「木の幹の色」から棕櫚の幹色=棕色、中国では茶色を表わすと無事結びつき、棕色を集める、棕色を盗む、と連想していき、まずはタイトルが決まりました。
また、鳶になったのは、「鳶が鷹を産むとか、どうして鳶は鷹より格下と決められているのか?」という小さい頃からの気持ちに拠ります。
冒頭はかなり手間どりまして、3か月ほどは2ページも進まない状況でしたが最初考えていた「小舟の上のやり取り(既に性的関係がある二人の痴話げんかでした)から始める」を一度クリアにして、動きのあるシーンへ変えてみてからはさくさくさく、と。
中華風の島を舞台に包子や大兄、大人といった言葉が飛び交うコバルト文庫の某シリーズ小説が大好きで、いつか私も書いてみたい!と長年思っていましたのでチャイナっぽいノリを書くのがめちゃくちゃ楽しかったです。
ただ、日本語ならではの言いまわしをしてしまわないようにと”あとの祭り”を”馬が逃げた後で納屋の扉を閉めても無駄”と中国のことわざを調べ置き換えたりもしましたが、ここは普通に”あとの祭り”の方が伝わりやすかっただろうなと反省(書き手の自己満でした)。
クライマックスにあたる鳶の回想については感情に引っぱられるまま書いたプロットがほぼまんまです。
なんていうかこう……憑依されるというか、時にキーボードを打つのが追いつかないくらいに次々言葉が浮かぶことがあるのですが、このお話についてはナルトでもサスケでもなく、鳶へ感情移入してしまいました。
そして若君。お前、病弱設定やったんか?
この”身体が弱く人質にされる若様”が”世の平和を目指し行動する若様”へ単純変化してしまったことも反省点の一つです。
陰陽マークの太極図や丹、仙人、そして「道」。平和を目指す者。
原作世界に近しいものを多く配することで話をスムーズに進められたので、苦手なパラレルを克服したつもりになっていましたがそれは全然、克服ではなかったなぁといただいたアンソロをひらきつくづくと反省。
原作とはまるで違う世界、価値観の中で”ナルト”と”サスケ”の”表面ではない彼ららしさ”を描き、イキイキと生かしてこそパラレルなんだろうなと今後の課題が出来ました。
ちゃんとしたパラレル、いつか真正面から頑張りたいです。
そして兄さん。もっとちゃんと絡めたかったのに中途半端なチラ見せ存在になってしまって、ごめんなさい。
なお、最後に遺される「風切羽」はプロットでは見つけたお墓に供えることになっていますが、完成したお話ではサスケが胸に収める(物理的に)ことになっています。
『パラレル・パレット』の後日談、R18の艶っぽいお話を集めた『いろいろひめごと』へ寄稿させていただいた『爱情尾巴 ~恋する尾っぽ~ 』にも組み込んだアイテムで、こんなところで何ですが……ひとりの書き手として憧れてやまない主催様へのリスペクトです。